FXの効果的な水平線の引き方を解説!再現性のあるトレード手法も紹介

チャート分析
  • 水平線を引くメリットは?
  • 効果的な水平線の引き方は?
  • 水平線を使った具体的なトレード方法は?

この記事ではこれらの悩みを解決できます。


水平線はチャート上にラインを引くだけの非常にシンプルな分析方法ですが、相場状況を分析するには欠かせないといえるほど重要です。

しかも、効果的な引き方を覚えてしまえばFX初心者の方でも使いやすく、勝率の高いエントリーポイントを見つけられるようになります。コンスタントに利益を上げているプロトレーダーにも愛用者が多い、初心者からベテランまで幅広い層に利用されているテクニカル分析なのです。

そこで本記事では、機能しやすい水平線の特徴から、水平線を引く時のポイントまで具体的に解説します。

この記事でわかること
  • 水平線を引いておくとトレンドの把握やエントリーポイントの絞り込みに役立つ
  • 水平線は反発回数が多く、上位足で引くラインほど意識されやすい
  • 水平線以外のテクニカル指標も併用して根拠を複数持つと、ダマシを回避しやすい

FXにおける「水平線(レジスタンスライン・サポートライン)」とは

水平線とは、チャート上の高値と高値、もしくは安値と安値を水平に結んだラインです。

水平線をチャート上に正しく引くことができれば、他のトレーダーが注目している価格が視覚化され、トレードにおいて強力な武器と成り得ます。反面、引こうと思えばどれだけでも引くことができるため、ポイントを押さえて引かないと全く機能しないラインばかりになりかねません

トレードの根拠として使える水平線を引けるようになるためにも、基礎となる水平線についての知識をしっかりと身につけた上で、正しい引き方をマスターしていきましょう。

水平線には「レジスタンスライン」「サポートライン」がある

まず、チャート分析を行う際の知識として、水平線は現在レートとの位置関係によって呼び方が異なることを覚えておく必要があります。

  • レジスタンスライン:現在レートより上にある高値と高値を結んだ線
  • サポートライン:現在レートより下にある安値と安値を結んだ線

このように、値動きから見て上に位置していれば「レジスタンスライン」、下に位置していれば「サポートライン」と呼ばれます。

レジスタンスライン・サポートラインと呼び方が違っても、基本的に水平線としての機能は変わりません。ただ、位置関係的にレジスタンスラインなら下方向への反発、サポートラインなら上方向への反発が多いため、こうした特性を把握しておくとエントリーポイントの模索や利確などに役立ちます。

サポートラインに「下支え」のイメージを持っておくと、レジスタンスライン・サポートラインどちらも覚えやすくなるでしょう。

ブレイクした水平線はレジサポラインの役割が反転する

水平線のレジスタンスライン・サポートラインという名称と特徴を理解した上で、「レジサポ転換」についても知っておきましょう。

先ほどレジスタンスライン・サポートラインはそれぞれ反発する方向に特徴がある、と説明しました。しかし実は、レジスタンスラインとサポートラインは値動きによっては名称も、役割も変わることがあります。

そもそもレジスタンスラインやサポートラインというのは、現在レートよりも上にあるか、下にあるかによって分類されています。そのため、それまでレジスタンスラインとして機能していた水平線でも、価格がラインを上抜けブレイクすれば今度はサポートラインとして機能するようになるのです。

レジサポ転換とは、このようにレジスタンスラインとサポートラインの役割が反転することを指します。レジサポ転換は頻繁に発生する現象なので、水平線を引く際にはあらかじめレジスタンスライン・サポートラインのどちらとしても働くものと考えておくことが大切です。

水平線(レジスタンスライン・サポートライン)を引くメリット

水平線の特徴や役割について押さえたところで、水平線を引くことで得られる2つのメリットについても見ていきましょう。

  • トレンドの方向性や強さが視覚的に把握しやすくなる
  • エントリーポイントやエグジットポイントを見つけやすくなる

トレンドの方向性や強さが視覚的に把握しやすくなる

水平線を引くメリットの1つ目は、現在の相場状況が視覚的にわかりやすくなることです。

チャートに水平線を引くことで得られる情報は非常に多く、数本の水平線があるだけでも下のような内容が読み取れます。

  • 高値更新が続いており、水平線を段階的に引き上げていれば上昇トレンド
  • 高値も安値も更新せずレジスタンスラインとサポートラインの中を行ったり来たりしていればレンジ相場
  • 水平線をブレイクしたローソク足が大きいほどトレンドの勢いが強い

しかも、水平線はチャートに対して直に引かれるラインなので、「水平線よりも上か下か」を見るだけで直感的な判断が可能です。まっさらな状態でチャートを見る時に比べて、はるかに相場状況を読み取りやすくなるため、水平線があるだけでもトレードの判断ミスを減らすことにつながるでしょう。

エントリーポイントやエグジットポイントを見つけやすくなる

水平線を引くメリットの2つ目は、エントリーやエグジットのポイントが把握しやすくなることです。

水平線を引く時はチャートの高値と高値、安値と安値を結びます。ここで重要なのは、過去の高値や安値はそれ以上の高値・安値を更新できずに押し戻された場所だということです。過去に強く意識された価格帯だからこそ、水平線を引いているトレーダーは「また反発するのではないか」と考えるのです。

レートが過去に意識された価格帯に近づくと、こうしたトレーダーの心理が相場に反映され、反発の動きを見せます。その価格帯にあらかじめ水平線を引いておけば、反発のタイミングを見逃さず対応できるようになるでしょう。

ただし、相場の勢いが強い場合は反発せずにそのまま水平線をブレイクしていくこともあります。そのため、水平線に到達したからといって反射的にトレードするのではなく、水平線以外のテクニカル指標も参照しつつ、複数の根拠を持つことを大切にしてください。

水平線(レジスタンスライン・サポートライン)の引き方とポイント

知識を蓄えたところで、実践として具体的な水平線の引き方と、引く時のポイントに移ります。

  • ローソク足のヒゲまで含めてラインを引く
  • 水平線は「反発回数が多い」「上位の時間足」ほど信頼性が高い
  • MTF分析による複数の時間軸で重なった水平線も要チェック

これら3つの要素を押さえておくだけで、トレードでも機能しやすい水平線が引けるようになります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

ローソク足のヒゲまで含めてラインを引く

まず基本として、水平線を引く時は、ローソク足のヒゲまで含めて考えるようにしましょう。

日本ではチャートの表示方法としてローソク足が主流ですが、欧米では多くの場合ラインチャートが使われます。この差は意外に大きく、ラインチャートではローソク足でいうヒゲまで含めて描画されるため、ヒゲを無視すると欧米のトレーダーが引く水平線の場所からずれてしまいます。

水平線を含めたテクニカル分析は「多くの人が意識するから機能する」ことが前提です。

そのため、欧米のトレーダーがメインで使っているラインチャートに合わせて、ヒゲの先端を高値・安値と見て水平線を引くと正確性が高まります。とはいえ実践上、ローソク足の先端同士をピタッと引けることはほとんどないため、おおよそで引いて問題ありません。

水平線は「反発回数が多い」「上位の時間足」ほど信頼性が高い

しかし、ローソク足のヒゲの先端同士を結んでいくだけでは、機能しづらい水平線も混じってしまいます。

そこで重要なのが、一口に水平線と言っても「反発しやすいもの」と「そうでないもの」があると知っておくことです。反発しやすい水平線には、以下の2点のいずれかに当てはまっているという特徴が多く見られます。

  • 反発回数が多い水平線
  • 上位の時間足で引いた水平線

「反発回数が多い水平線」とは、過去に多くの局面でトレーダーから意識された水平線を指します。

  • 過去のチャートの1箇所で反発している水平線
  • 過去のチャートの3箇所で反発している水平線

であれば②の方がより多く反発しているので、将来的にも機能しやすい水平線ということです。反発回数の多さは過去に同価格帯でトレーダーに強く意識されたことを示しているため、この先も反発する確率が高いと考えられます。

「上位の時間足で引いた水平線」については、より大きな時間軸で引いたラインということです。

  • 日足チャートで引いた水平線
  • 1時間足チャートで引いた水平線

であれば、①の方が機能しやすい水平線といえます。

日足や週足のローソク足は、細かく見ていけば1時間足や5分足など小さな時間軸のローソク足の集合体です。つまり、大きな時間軸である上位足には、値動きの機微からトレーダーから意識された価格帯まで、下位足の情報が全て含まれているわけです。

こうした前提があるので、上位足で引ける水平線には下位足で引ける水平線も重なっています。そのため、下位足よりも上位足の方がより多くのトレーダーから意識されやすいのです。

MTF分析による複数の時間軸で重なった水平線も要チェック

さらに水平線の精度を上げるには、MTF(マルチタイムフレーム)分析も活用しましょう。

MTF分析の際に水平線を引ける場所も探すようにすると、1つの時間足だけでなく、複数の時間足で同じ価格帯に水平線を引けることがあります。4時間足で引いた水平線が、日足でも1時間足でも重なっているようなケースです。

このように、複数の時間軸で同じ場所に引くことができる水平線は、1つの時間足だけで引ける水平線よりも信頼度が高い傾向にあります。

複数の時間軸で同じ場所に水平線が引けるということは、それだけトレーダーに注目されている価格であることを意味します。同じ場所に水平線を引いたトレーダーが多いほど反応する確率も上がるため、根拠としてより強固なものとなるのです。

水平線(レジスタンスライン・サポートライン)を使った具体的なトレード手法

続いて、水平線を使った具体的なトレード手法について見ていきましょう。

水平線を使ったトレード手法は様々ですが、ここでは以下の2つのトレード方法についてお伝えします。

  • 移動平均線と組み合わせて反発を予測する
  • フィボナッチ・リトレースメントと重なるラインで押し目買い

ただし、水平線を含めた全てのテクニカル分析は絶対ではありません。あくまでも予測の精度を上げるためのものであり、多くの根拠を持ってトレードするほど勝率も上がるものだということを踏まえた上で、順番に深堀りしていきます。

移動平均線と組み合わせて反発を予測する

1つ目に紹介するのは、水平線と移動平均線を組み合わせて反発を予測する方法です。

具体的には、まず初めに移動平均線を使ってトレンドの方向を捉えます。他の記事でも紹介しましたが、移動平均線を使えば下にまとめたように、数箇所確認するだけで簡単にトレンドを把握することが可能です。

  • 「ローソク足が右肩上がり」かつ「移動平均線の上にある」間は上昇トレンド
  • 「ローソク足が右肩下がり」かつ「移動平均線の下にある」間は下降トレンド

そして、「上昇トレンド中であればサポートライン」が「下降トレンド中であればレジスタンスライン」がそれぞれ機能しやすくなります。

  • 上昇トレンド中:サポートラインに反応する可能性が高い
  • 下降トレンド中:レジスタンスラインに反応する可能性が高い

つまり、移動平均線でトレンドの方向を確認した後、そのトレンドの方向に合わせて水平線を使えば反発する確率が高まるのです。ここで注意したいのは、移動平均線とローソク足が近づいているほど価格が伸びやすくなり、離れているほど逆行するリスクが高まる点です。

そのため、移動平均線を使ったトレードをする場合は、できるだけローソク足と移動平均線の距離が近づいているときにエントリーしましょう。

フィボナッチ・リトレースメントと重なるラインで押し目買い

2つ目に紹介するのは、フィボナッチ・リトレースメントを使ったエントリーポイントの見つけ方です。

まずは、レジスタンスラインを上抜けしてブレイクした後の戻りを待ちましょう。上でも説明したように、水平線を抜けた後はレジサポ転換が起こるため、レジスタンスラインのブレイク後には水平線は「サポートライン」として働きます。

トレンド転換した後の水平線は特に意識されやすいので、エントリーポイントとして狙い目になります。そこでさらに、フィボナッチリトレースメントの38.2%や61.8%に重なるポイントで反発を確認し、押し目買いを狙っていくのです。

水平線とフィボナッチ・リトレースメントの組み合わせは、とてもシンプルですが非常に強力なトレード方法なので、初心者の方も実践しやすく幅広い局面での活躍が期待できます。まだ、トレード手法が定まっていない方だけでなく、思うような結果が出ていない方にもおすすめの手法です。

今回は押し目買いを狙う場合で説明しましたが、戻り売りを狙う場合も同じように使えますよ。

水平線(レジスタンスライン・サポートライン)を扱う上での注意点

ここまで説明してきたように、水平線は比較的簡単に扱えるにも関わらず、多くのメリットを有する優れたテクニカル分析方法です。

ですが、誤った扱い方をしてしまうと正しい効果が得られません。そこで最後に、水平線の真価を最大限に発揮するための注意点を3つお伝えします。

  • 水平線のブレイクには「ダマシ」も多い
  • 精度を上げるにはほかのテクニカル指標と組み合わせて使う
  • 水平線を引くときは大雑把でいい

水平線のブレイクには「ダマシ」も多い

注意点の1つ目は、水平線のブレイクには「ダマシ」も多く、水平線付近でのエントリーには細心の注意を払う必要があるということです。

「ダマシ」とは

水平線をブレイクしたあとそのまま価格が伸びず、もう一度水平線まで価格が戻ってくる現象のことを「ダマシ」といいます。

そもそも、水平線は人によって引くラインが微妙にずれることも多々あります。そのため、引いておいたラインからやや離れた場所で反発したり、上方向にブレイクしたと思っても少し上方に強い抵抗帯が存在し押し戻される、といったことも有り得ます。

そのため、水平線をブレイクしたからといって、必ずしもブレイク方向に価格が伸びるわけではありません

水平線は優秀なテクニカル分析ツールの1つですが、過信しすぎると損切り設定を怠って大損を出したり、過剰なレバレッジで資金を一度に減らしてしまうこともあります。特に初心者の方は、水平線付近ではダマシが発生する可能性があることも理解して、適切な決済やロットサイズを心がけましょう。

精度を上げるにはほかのテクニカル指標と組み合わせて使う

注意点の2つ目は、水平線を使った分析の精度を上げるためには単体ではなく、ほかのテクニカル指標も組み合わせる必要があるということです。

先ほど、水平線のブレイクの際にはダマシに注意が必要だと説明しました。では具体的にダマシを避けるにはどうしたら良いのか、というと、水平線に加えてほかのテクニカル分析ツールと組み合わせることで、ダマシに遭遇するリスクを減らすことが可能です。

たとえば、水平線を引いた価格帯が下に挙げたようなテクニカル指標と重なるようなら、反発の可能性が高いと判断できます。

  • ダウ理論によるトレンド転換点
  • フィボナッチ・リトレースメントの38.2%の位置

また、MTF分析で上位足のトレンド方向を把握し、トレンドの大きな流れに沿ってトレードすることも効果的です。このように、根拠の数が多くなるほどに水平線の信頼度も高まるため、水平線はあくまでも「トレードの指標のうちの1つ」であると認識しておきましょう。

水平線を引くときは大雑把でいい

注意点の3つ目は、水平線を引く時にあまり神経質になり過ぎないことです。

チャートは市場に参加している人間の心理が複雑に絡み合い形成されていて、意図して作られているわけではありません。そのため、過去の高値と高値、安値と安値が完璧に揃うことはまず起こらず、微妙なズレが生じるので、トレーダーによって引いている水平線の位置が違うことも多々あります。

こうした状況で高値同士、安値同士を全て完璧に結ぶことは不可能に近いため、ある程度は妥協して大雑把に引いてしまっても問題ありません

水平線が機能する背景には、多くのトレーダーが注目している価格帯だから、という理由も確かに存在します。ただ、ほかのトレーダーも全く同じ条件でチャートを見ているので正解はなく、ヒゲの先端同士を結ぶなど要点をしっかり押さえることが何より大切です。

もし抵抗があれば線ではなく、帯のように太くして描くという方法もあります。ピンポイントな反発の予測は難しくなるものの、広範囲をカバーした水平線になるため、自分で引いた水平線がなかなか反発してくれないような場合は試してみる価値があるでしょう。

まとめ:水平線を引くことはトレードの安定性向上につながる

今回は、機能する水平線の特徴や引き方のコツ、具体的なトレード方法について解説しました。

水平線はテクニカル分析の中でも極めてシンプルですが、正しい引き方や使い方のコツを押さえることで勝率を大きく上げることが可能です。

ただ、水平線を上手く引けるようになるためにはある程度の練習が必要で、何となく引いていても意味はありません。記事内で紹介した引き方をもとに、実際のチャートで何度も引いてみることで、精度の高い水平線が引けるようになるでしょう。

ぜひ、自分自身で何度も水平線を描いてみて、機能する水平線の引き方の感覚をつかんでください。

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