この記事では、これらの悩みを解決できます。
FXトレードでは、単に市場の知識や技術だけでなく、強固なメンタルコントロールも必要になります。
なぜなら、市場の値動きは予測不可能であり、利益や不安、恐怖といった感情の波がトレーダーを襲うためです。もしメンタルコントロールができなければ無謀なトレードにつながり、資産の全てを失ってしまうリスクにもさらされることになるでしょう。
そこで今回は、メンタルコントロールの重要性と、実践方法について詳しく説明します。
- メンタルコントロールができていないと、相場から退場するリスクが非常に高い
- 人間は本質的に損失を避けたがるため、意識して自身を律することが重要
- メンタルコントロールを試みても難しいと感じるなら、EAを使うのもひとつの手段
FXトレーダーがメンタルコントロールを身につけるべき理由
FXトレードにおいては、チャートを分析する技術が第一と思われがちです。
しかし、実際には分析力以上に強固なメンタルコントロールも要求されるのです。感情に左右されることなく、一貫した判断を下すことが長期的な成功への鍵となることから、FXトレーダーが最優先して身につけるべきスキルこそメンタルコントロールといえます。
その理由について以下の3つの側面からお伝えします。
感情的なトレードを繰り返していると大負けして身を滅ぼす
FXトレーダーがメンタルコントロールを身につけるべき理由の1つ目は、感情的なトレードを繰り返していると身を滅ぼしかねないためです。
感情的になっていると、どうしても「大きく儲けたい」「負けを取り返そう」といった気持ちが強くなります。そんな状態が続けば、根拠が弱いのに一発逆転を狙って取引ロット数を大きくしたり、本来のルールから外れて資金管理を怠るなど、ギャンブル性の高いトレードに走るリスクが高くなるのです。
そのような冷静さに欠けたトレードでは勝てるはずがなく、一度のトレードで失う金額も膨らんでいき、資産が減っていくことは目に見えています。こうした悪循環に陥って大負けに大負けを重ね、相場から退場するトレーダーも少なくありません。
負の連鎖にはまってしまうと、そこから抜け出せなくなることで精神状態が不安定になります。そうなれば、さらなる悪循環に陥ることは想像に難くないでしょう。
FOMO:機会喪失を恐れてますますトレードにのめり込む
FXトレーダーがメンタルコントロールを身につけるべき理由の2つ目は、FOMOを防ぐためです。
なぜFOMOに気をつけなければならないかというと、市場の動きを気にし過ぎるあまり、常に「乗り遅れ」を恐れてしまうことにあります。急上昇・急下降するチャートを目にして、利益を取りこぼしたくないと飛び乗るのが典型的な失敗パターンでしょう。
本来の取引ルールに当てはまらないリスキーなポジションを取ることが増え、結果としてリスク管理を疎かにするのです。
FOMOに陥っているトレーダーは、機会の損失を恐れるあまりにチャートから目を離すことができなくなり、冷静さを失ってしまいます。落ち着いて分析すれば明らかに勝率が低い相場であっても、強引にチャンスを探してポジションを持つことすら有り得るわけです。
こうした事態を防ぐためには、メンタルコントロールを身につけて常に平常心を保てるようにしておかなければいけません。
トレーダーにとって、相場の動きを冷静に分析し、適切な根拠に基づいた取引を心がけることは基本であり奥義でもあるのです。
人間が損失を嫌がることは「プロスペクト理論」で証明されている
FXトレーダーがメンタルコントロールを身につけるべき理由の3つ目は、人間が損失を回避したがることは「プロスペクト理論」によって証明されているためです。
プロスペクト理論では、「人は何かを得る喜びよりも、損失の回避を重視する」という心理的特徴を持つとされます。この理論をトレードに当てはめると、トレーダーは誰しも無意識に「利益はできるだけ早く確定し、損失はできるだけ先延ばしにする」という行動を取りやすいといえるわけです。
プロスペクト理論による損失回避性が証明されている以上、損失を避けようとすることは人間の本質に相違ありません。しかし、対策を講じることなく売買の判断を行っていては利益を伸ばせず、逆に損失がかさんで、少しずつ積み上げた利益を一回の損失で吹き飛ばす要因にもなってしまいます。
だからこそ、メンタルコントロールによって感情を自制し、常に合理的な判断ができるようにならなければいけないのです。
プロスペクト理論でいわれている損失回避性の影響を受けにくくするには、どんな意識を持つことが有効なんでしょうか。
詳しくは後述しますが、ルールに沿ったトレードを心がけたり、損益を中長期的な視点で捉えたりすることである程度防ぐことができます。まずは人間なら誰でも無意識に損失を避けようとしてしまう、ということをしっかり認識しておくことが第一歩です。
メンタルコントロールのステップ
メンタルコントロールを身につけるべき理由について理解したところで、FXトレードにおけるメンタル管理のスキルを上げるための方法を3ステップで見ていきましょう。
具体的な方法について、次の順序に沿って深掘りしていきます。
トレードルールに沿って取引する
メンタルコントロールを身につける第一のステップは、自身で決めたトレードルールを遵守することです。
大原則として、感情的な行動を避け、合理的な判断を行うためにはルールに沿った取引が求められます。エントリータイミングや損切りを行う条件、ロットサイズなどが決まっていないと、取引のたびに判断しなければならず、そのときの感情に左右されやすくなってしまうためです。
しかし、トレードルールを厳格に定めるだけで、感情的な取引になる頻度を大幅に減らすことが可能です。
完全にルールに従ったトレードであれば感覚的な決定が入る余地がなくなり、損失も受け入れやすくなります。そうなれば、次回の取引にも余計な感情を持ち込みにくくなるので、トレード全体を通してのメンタルコントロールもやりやすくなっていくでしょう。
メンタルコントロールを身につけるには、損失受け入れる意識も必要なんですね。
相場の値動きはコントールできるものではないので、損失を被ることは当然有り得ます。だからこそ、損切りになった時にいかに冷静さを保てるかどうかがポイントになります。含み損や期待利益に揺さぶられずに穏やかなメンタルを維持するためには、前もって決めておいた基準に当てはめるだけにするのがおすすめです。
トータルでプラスなら損失が出ても「必要経費」と考える
メンタルコントロールを身につける第二のステップは、損失が出た時に「必要経費」と考えることです。
損益は1日や1週間などの短期的に見るのではなく、1ヶ月・1年といった中長期的で見ることが大切です。短期的には損益がマイナスになっていたとしても、中長期的にトータルで見て利益が出ているなら、損失は必要経費と割り切って問題ありません。
「必要経費」なら、負けて損失が出ても受け止めやすくなりそうですね。
相場の世界に絶対はなく、たとえプロのトレーダーが複数の根拠を持って正しい判断を行っても、損失を被ることは起こり得ます。
価格が狙った方向に動く保証がない以上、軌道修正は必須であり、損切りはそのために欠かせない重要な手段です。資産を守り、着実に利益を積み上げるためにも損切りは必要であり、リスク管理の一環として受け入れるべきことなのです。
しかし、完璧を求めたり、損切りを失敗の代償と考えていると、どうしても損失に対して悪いイメージを持ってメンタルが荒れやすくなってしまいます。損切りはFXで勝つためには必要な出費であって悪いことではない、と意識することが、スムーズな損切りへのステップとなるでしょう。
目先の利益や一時的な損失に一喜一憂するのではなく、月単位や年単位など長い目で収益を考えると、損切りに対するネガティブなイメージも払拭しやすくなりますよ。
トレードノートで記録をつけて定期的に振り返る
メンタルコントロールを身につける第三のステップは、トレードノートで毎日のトレードを記録し、定期的に振り返る時間を作ることです。
トレードのたびに記録をつけておくと、後で振り返った時にトレードのスキルアップだけでなく、メンタルコントロール力の向上にもつながります。トレードの記録には自身のクセがありありと現れるため、メンタルが乱れやすい状況も客観的に把握できるのです。
そして、自己分析をより深く行うためにも、トレードノートには下記のようにエントリーの根拠からポジション保有中、損切りをした時の思考・精神状態などを細かく記載しておきましょう。
特に、トレードノートにエントリーの根拠やトレード中の精神状態を記入しておくと、「感情的になりやすいパターン」が自然と浮かび上がってきます。
特定の条件が揃った時にメンタルコントロールが難しくなっているようなら、例えば時間帯や通貨ペアを変えるだけでも好転するケースは少なくありません。対策を一つひとつ試していけば精神的に何が大きな負荷となっているかも突き止めやすくなるため、メンタルコントロールを習得しやすくなります。
そうしてメンタルが崩れる要素を除外していくと、トレードで心が乱される頻度は自然と減っていきます。次回の取引に精神的な揺らぎを持ち込まず、フラットな気持ちで挑めるようになれば、どんな状況であってもメンタルに左右されず実力を発揮できるようになるでしょう。
感情的な判断は論理的な思考を飛び越え、無意識に行ってしまうことが非常に多いです。そのため、記録に残して客観的に見つめないとなかなか気づくことができません。自分の知らない悪い癖を改善するためにも、トレード中に考えていることや感じたことを後で見返せるよう、トレードノートをつけることが大切です。
確かに、トレードを終えて何も記録していないと、勝ったら嬉しい、負けたら悔しい、で終わってしまいますよね。ポジポジ病を予防するためにも、1回のトレードごとにこまめに記録してみます!
感情が抑えられなくなってきた時の対策
ここまで、メンタルコントロールをする方法について解説してきました。
しかし相場は生き物であり、熟練したトレーダーでも読み切れない突発的な動きを見せることもあります。どんな値動きをするか完璧に予知することは不可能なので、頭に血が上ったり、酷く負けて落ち込むこともあるでしょう。感情を完璧に抑え込むのは、プロトレーダーでも簡単なことではありません。
そこで、どうしても感情を抑えられない時の対策方法について紹介しておきます。
全てのポジションを決済してチャートを閉じる
トレード中に感情が抑えられなくなってきた時は、全てのポジションを決済し、思いきってチャートを閉じてしまいましょう。
感情が高ぶったままトレードを続けても、さらに悪い結果を招いてますます感情的になる、という負のスパイラルに陥る場合がほとんどです。「休むも相場」という格言があるように、無理にトレードをする必要はないので、時間をおいて冷静さを取り戻してからの再開で全く問題ありません。
FXのトレードチャンスは1日に数回程度ですが、焦らず待つことこそが勝率の高いポジションを掴み取る秘訣です。
チャンスが訪れるまでじっと待つとなると、機会損失に対する恐怖心も膨んでいくでしょう。しかし、そもそも「トレードチャンスを逃してしまうかもしれない」という不安を抱えているようなら、平常心を保てていない時点でリスクの高いトレードをしようとしているのです。
トレード中に少しでも「おかしいな」と感じたなら全ポジションを解消してチャートを見ないことはもちろん、冷静さを失っていることに気づけた時点で次のトレードも控えておくことが大切です。
一定期間トレードから完全に離れる
ただ、メンタルコントロールを身につけている段階だとチャートを閉じても自制しきれず、再びトレードをしてしまうケースがあります。
全てのポジションを決済し、チャートを閉じて冷静さを取り戻そうとしていても、「もしかしたら今大きなチャンスがきているかもしれない」と相場の動向が気になってしまう人は少なくないのです。しかし、こういった行動は典型的なFOMOであり、感情的なトレードを繰り返すことは目に見えています。
心が穏やかになるまでの期間は人それぞれですが、一定期間完全にトレードから離れるようにしましょう。
その際、チャートを見ないことはもちろんですが、トレードに関することは全く考えないのがなるべく速く平常心を取り戻すコツです。日常生活を送りながら、FXのチャートが全く気にならない、あるいはチャートの存在を忘れてしまうくらいまで離れてしまって構いません。
思い切って相場から距離を置き、精神状態が落ち着くまでゆっくり休むことが将来の利益につながるのです。
トレードから離れることそのものが怖いこともありますが、心をリセットするにはFX自体を一度忘れるくらいがちょうどいいんですね。
「チャンスを掴まなければ」と追い詰められている状態だと、冷静な判断は難しいですからね。そもそも、相場の大半は待つべき状況なので、四六時中チャートに張り付いていたからといってトレード成績が爆発的に良くなることはありません。適切なタイミングまで平常心で待てるように、「トレードしない」練習をしていきましょう。
どうしてもメンタルコントロールが難しいならEAの活用も手
ここまでの内容で、メンタルコントロールをするための方法や、感情が高ぶった時の対処法について解説してきました。
言うまでもなく、FXトレードにおいてメンタルコントロールは重要な要素の一つであり、利益を上げ続けていくためには欠かせません。
とはいえ、実際のトレードとなると思うように感情の起伏を抑制することができず、メンタルコントロールの難しさに頭を抱えている人も少なくないでしょう。これまで何人ものトレーダーから相談を受けてきた経験からいっても、メンタルコントロールが習得できず挫折する人は後を絶ちませんでした。
ただ、完璧なメンタルコントロールが身につけられなければ絶対にFXで成功することは不可能なのか、と問われれば答えはNOです。
メンタルコントロールの技術が拙くても、向上させようという意識さえ持っていればFXで成功できる可能性はあります。そして、その成功のために取り入れたいのが、EA(自動売買)の導入によってメンタル管理の負担を減らす方法なのです。
EAを活用すれば感情に左右される局面が減る
EA(自動売買)はプログラムされたルールに基づいて自動的にトレードを行うため、トレーダーの感情による影響を最小限に抑えてくれます。
相場変動による恐怖や欲望は、長年相場で生き残っているトレーダーですら完全に抑えることは難しく、多くのトレーダーにとって障害となる場合がほとんどです。しかし、EA(自動売買)を活用すれば感情の揺れ動きに判断が左右されにくくなることから、より良い結果が期待できるのです。
例えば、エントリーや決済のタイミングで迷いが生じてしまう、という場合はEA(自動売買)のサインと被った時のみ実行することで確度を高めることが可能です。トレード中に相場の動向が気になって決済を焦ってしまうようなら、エントリー後は完全にEA(自動売買)に任せてしまうのもアリでしょう。
EA(自動売買)に対して抵抗感を持っている方もいるかもしれませんが、精神的なプレッシャーを減らせることはFXにおいて大きなメリットです。特に自身のトレードルールを守りきることが難しい、と感じている方にとっては強力な味方となることは間違いありません。
最終的に判断を下すのはトレーダー自身に他ならない
ただし注意すべき点として、トレードの全てを完全に自動化することはできません。
相場の急変時はEA(自動売買)による損切りがうまく執行されないことも考えられるため、経済指標発表や要人発言の日時をあらかじめチェックしておくなどの対応は必ず必要になります。また、EA(自動売買)はあくまで補助ツールであり、安定的に利益を出せるかどうかはトレーダー次第です。
EA(自動売買)を扱うトレーダー自身の経験やスキルが著しく不足していれば、相場環境が平時と異なるかどうか、EA(自動売買)をいつからいつまで停止させておくべきか、といった判断も難しいでしょう。結局のところ、トレードをEA(自動売買)に任せきりにする意識では成功は遠いのです。
大切なのは、EA(自動売買)に相場の環境認識やトレード判断を委ねるのではなく、自ら積極的に相場分析力や自己判断力を磨くことです。その上で、コントロールが難しいメンタル面をEA(自動売買)にサポートしてもらう、という形がベストでしょう。
EAをうまく活用しつつも、日々のスキルアップの重要性を忘れずに、FXトレードに臨むことを心がけてください。
EA(自動売買)は詐欺ツールもたくさん出回っているし、なんだか怖いイメージがありましたが、任せきりになってしまうのがいけないんですね。
中には悪質なツールもありますが、そういったツールを見分けるためにもトレーダー自身の知識と経験は欠かせません。どんな道具も知識がなければうまく使いこなせないことと同じで、EA(自動売買)も持ち主の使い方によって発揮できる力も変わります。自身のスタイルに合った優れたEA(自動売買)に出会えれば、トレード環境を大きく好転させることができますよ。
まとめ:メンタルコントロールはトレード成功の要
今回は、メンタルコントロールの方法や重要性について解説しました。
FXトレードで成功するためには、メンタルコントロールは欠かせません。感情に流れてしまうと冷静さを失い、最悪の場合はFX市場から退場する事態にもなりえます。そうならないよう、人間の本質的な心理傾向を理解した上で、自らに打ち勝つための仕組み作りや心構えを用意しておくことが望ましいでしょう。
本記事で紹介したテクニックを使ってもメンタルコントロールが難しいようであれば、EA(自動売買)の力を借りるのも一つの手です。FXトレードにおいては、全てを裁量にしなければならないわけではないので、自分に合ったトレード戦略を確立してください。
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