FXのデイトレード手法を初心者にもわかりやすく紹介!デイトレで勝つポイントも伝授

FXの基礎知識

1日のうちに売買取引を完結させるデイトレードは、FXを始めたばかりの初心者から熟練のプロトレーダーまで幅広い層のトレーダーが愛用しています。

高いレバレッジを設定可能で24時間取引ができるFXでは、デイトレードは資金効率の面で非常に優れたトレードスタイルです。しかし、だからといって初心者が闇雲にトレードを繰り返せば損失が膨らみ、市場からの退場は避けられません。

そこで今回はFX初心者がデイトレードで勝つためにはどのように立ち回ればいいのか、手法とポイントを順を追って解説していきます。

デイトレードは様々なトレードスタイルの中でもスタンダードなタイプなので、デイトレードで勝てるようになればほかのスタイルでも応用がききます。特徴をきちんと理解して、利益を上げられるようになりましょう。

この記事でわかること
  • デイトレードは時間的・精神的負担が比較的少なくFX初心者にもおすすめ
  • スプレッドのコストや本業とのバランスなどは自分で管理する必要がある
  • 移動平均線やフィボナッチ・リトレースメントがデイトレ手法として扱いやすい

デイトレードとは

デイトレードは、1回のトレードにおいて大きな利益を得ようとするのではなく、狙う利幅を小さくして回数を重ねることで利益を積み上げていくトレードスタイルです。

特徴としては、以下が挙げられます。

  • 取引時間は数分~数時間程度が多い
  • 1日に1回~複数回のトレードを行う
  • ポジションは翌日に持ち越さず、その日のうちにトレードを完了させる

もともと、FXでは高いレバレッジを利用できるので、少額の証拠金からでも大きな利益を得ることが可能です。デイトレードの場合はさらに、1日のうちに何度も資金を回転させて売買を繰り返すことができるため、資金効率の面で非常に優れています。

また、スワップポイントについて考慮する必要がない点もデイトレードのメリットです。

FXでは日をまたいでポジションを持ち越している場合、通貨同士の金利差からプラス・マイナスどちらかのスワップ金利が発生します。しかし、デイトレードはその日のうちにすべてのポジションを決済するため、通貨同士の金利差は度外視してトレードをよりシンプルにまとめることができます。

ほかの取引スタイルとの違い

FXではデイトレードのほかにも、スキャルピングスイングトレードといったトレードスタイルもあります。

どのトレードスタイルが合っているかは人によって様々ですが、まだFXを始めたばかりで適正がわからない場合はデイトレードから入ることをおすすめします。

秒単位で取引をするスキャルピングや数日~週単位で取引するスイングトレードと比べて、デイトレードは1日に1回~数回のトレードで利益を狙います。分単位から時間単位まで幅広い視野で柔軟にトレードしていくスタイルなので、チャートの頻繁なチェックは必須にはなりません。

時間の制約がそれほど大きくないことから、初心者にとっても難易度が低めなのです。

デイトレードよりも取引期間が短いスキャルピングでは、数秒~数分のトレードで利益を狙います。そのため、一瞬で売買を判断する瞬発力が求められることに加えて、トレード中は常にチャートに張り付いていなければいけません。

また、取引期間の長いスイングトレードと比べると、デイトレードは使用するチャートの時間足が短めです。その分トレードの回数が多くなるため、資金の効率活用や手法の確立、利益率の標準化を図れるというメリットがあります。

デイトレードは時間的、精神的な制約はスキャルピングに比べて少ないですが、スイングトレードと比べるとチャートチェックの頻度は上がるため、本業がある場合にはトレードとの両立が難しくなる点に注意が必要です。

デイトレードのメリット

それでは具体的にデイトレードにどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

冒頭でも触れたように、デイトレードは時間的な制約が少ないといった特徴があります。そうした時間面の利点のほかにも、デイトレードには以下のようなメリットが存在するため、ひとつずつ解説していきます。

  • トレードリスクを抑えられる
  • ずっとチャートに張りついている必要がない
  • 1日以内に取引が完結するので精神的な負担が少ない

トレードリスクを抑えられる

デイトレードの最大のメリットは、トレードリスクを抑えられることです。

デイトレードでは1日のうちに動く値幅の中でトレードを行い、利益を狙うことになります。そのため、1日で得られる利益幅はスイングトレードなどの長期取引と比べると限られるのですが、起こりうる損失の幅も限定することができます。

日本人トレーダーにとって最も主要な通貨ペアといえるドル円(USD/JPY)は、2022年に歴史的なドル高を記録しました。

それでも1日あたりの平均変動値幅は130pipsほどで、トレードで狙っていくとしたら50pipsほどの値幅が現実的になるでしょう。同様に、損失幅もそれほど大きくは伸びないため、1回のトレードで全資金を溶かしてしまうといったリスクをかなり低めに抑えることができます。

FXを始めて間もない時期に退場に追い込まれる、という事態を、デイトレードなら避けやすいのです。

ずっとチャートに張りついている必要がない

瞬発力が求められるスキャルピングと異なり、デイトレードならチャートを常に凝視しておく必要がないことも大きなメリットです。

FXは平日24時間取引できるため、デイトレードなら1日の中で自分に都合のいいタイミングでチャートをチェックできます。午前中だけで取引を終えるも良し、1日かけてじっくりとエントリーポイントを見定めるも良しと、柔軟性の高いトレードが可能です。

もし想定していたシナリオが手が離せないタイミングで訪れたとしても、指値注文を入れておけばチャートを見ることができない間も注文が実行されます。こうしたスタイルは、秒単位でトレードプランを変更することもあるスキャルピングでは難しくても、デイトレードなら対応できるのです。

短時間で利益を狙いたい場合は、東京市場やロンドン市場、ニューヨーク市場など相場が動きやすい時間帯にトレードするとより効果的でしょう。

1日以内に取引が完結するので精神的な負担が少ない

1日のうちにトレードを完結させるデイトレードは、ほかの取引スタイルと比べて最も精神的な負担が少ないことも利点として挙げられます。

FXに限らず投資で利益を重ねるために大切なことは、決して感情に左右されず、淡々とルールどおりに平常心でトレードを繰り返すことです。

スキャルピングでは秒単位でトレードを行うこともあるため、一瞬の迷いが勝敗の分け目となるタイミングが多々巡ってきます。常に気持ちを張り巡らせ、チャートを凝視しながらエントリーや決済を判断する必要があるため、精神的にも肉体的にも大きな負担がかかりやすいトレードスタイルです。

一方で、スイングトレードなど取引期間が長いトレードでは、損失を抱えたポジションを長期間持たなければならないこともあります。何日も損失を抱えた状態が続けば、精神的にかなりの疲弊を抱えることは想像に難くないでしょう。

損失が膨らむと平常心を保ちにくくなりますし、焦って分析不足のポジションを取ってしまうこともあるんですよね。

だからこそ、メンタル面のコントロールはトレーダーに必須の能力です。自分に合ったトレードスタイルを選ぶ時も、精神的な負担を考慮して検討したいところです。

デイトレードの利点を活かすためにも、ポジションは必ず1日のうちに手じまいを行い、精神的な負担を大きくしないことがデイトレーダーとしての秘訣といえます。

デイトレードのデメリット

ここまでメリットについて紹介しましたが、その反面、デイトレードにはデメリットも存在します。

スキャルピングやスイングトレードといったほかのトレードスタイルにも、やはり良い点と悪い点の両方があるため、どういった使い方が適しているのかを正しく知っておく必要があります。長所と短所を把握した上で、長所を伸ばせるような運用方法ができると勝率アップにつながっていくでしょう。

  • スプレッドのコストが大きくなりやすい
  • 本業とのバランスを取ることが難しい

スプレッドのコストが大きくなりやすい

FXでは、トレードで売買注文を1回行うごとに実質的な手数料であるスプレッドが発生します。

注意が必要なのは、デイトレードはスイングトレード以上の中長期的な取引スタイルと比べると取引回数が多くなるために、必然的にスプレッドのコストも大きくなることです。つまり、トータルで勝つためには必要なコストを上回る利益を生み出す必要があります。

1日の取引回数や取引ロット数が増えるほどコストも膨らんでいくので、最初に自分のトレードでスプレッドのコストがどの程度かかるのか認識しておきましょう。

デイトレードは人によって頻繁にトレードするのか、1日1回なのかという点も異なるため、自分に合った調整が必要です。

もし1日に1回しかポジションを持たず、余裕を持って利益を得られるのなら、スプレッド分のコストはさほど気にする必要はありません。一方で、1日に何度もポジションを持つスタイルで取引しているのであれば、スプレッドの狭いFX業者を選ぶといった工夫が求められます。

スプレッドは取引する通貨ペアによって大幅な差があるだけでなく、利用するFX業者によっても開きがあります。どの程度スプレッドを重視するかを決めた上で、各FX業者のスプレッドを比較・検討すると良いでしょう。

本業とのバランスを取ることが難しい

すでに本業があり、副業としてトレードをしている場合、デイトレードは本業とのバランスを取ることがやや難しい面があります。

特にデイトレードはトレードスタイル的に時間や場所の制約を受けにくいため、本業に干渉してしまう可能性がほかのトレードスタイルに比べて高いことが難点です。

本業が忙しいとトレードに費やせる時間がなかなか取れず、分析不足のままエントリーしてしまったり、冷静な判断力が欠けるおそれがあります。反対に、トレードに集中し過ぎて本業が疎かになれば、悪影響は私生活にまで及ぶかもしれません。

こうした悪循環を避けるためにも、

  • トレードは本業のない時間に集中して取り組む
  • あらかじめトレードする時間を定めておく

このように本業とトレードとのバランスを取るための工夫が必要になります。

デイトレードの手法

デイトレードのメリットとデメリットを押さえたところで、デイトレードの手法についても見ていきましょう。

FXに限らず、投資においては「必ず勝てる手法=聖杯」は存在しません。しかし、テクニカル分析を活用すれば最低限の時間で視覚的な判断が可能になるため、なかなかまとまったトレードの時間が取れない方も取り組みやすいでしょう。

そこで、FX初心者でも視覚的な判断ができ、習得しやすい3つのインジケーターによるテクニカル手法を紹介していきます。

移動平均線(MA)を使ったデイトレ手法

テクニカル分析の手法の中でも、最もメジャーともいえるのが移動平均線(MA)です。

実際、移動平均線をエントリーの根拠としているトレーダーは多く、FX初心者にとっても比較的簡単にエントリーポイントやシグナル転換を読み取ることができる利便性の高い指標といえます。

運用方法は非常にシンプルで、

  • 中期線や長期線をサポートラインまたはレジスタンスラインとして扱い、トレンドが発生している方向にエントリーをする
  • 短期線・中期線のゴールデンクロスまたはデッドクロスをトレンドの転換サインと見なしてエントリーする

などが主な手法になります。移動平均線を活用したトレードはテクニカル分析の基本中の基本となるため、必ず押さえておきましょう。

フィボナッチ・リトレースメントを使ったデイトレ手法

フィボナッチ・リトレースメントも使用しているトレーダーが多く、FX初心者にも扱いやすいテクニカル指標です。

フィボナッチ・リトレースメントは相場の動きを比率で数値化して視覚化してくれるので、チャートが反発しやすいポイントを見極めるために役立ちます。チャートが反発しそうなラインを確認しておけば、指値注文で押し目買い・戻り売りをあらかじめ設定しておくことも可能です。

フィボナッチ比率では、一般的に38.2%、50.0%、61.8%のラインが反発する可能性が高い水準となっています。そのため、指値注文を設定しておくならいずれかの水準に設定しておくと、半自動的なデイトレードも可能です。

  • 38.2%:強いトレンド発生時の戻しに多いライン
  • 50.0%・61.8%:弱いトレンドの時の戻しに多いライン

MACDを使ったデイトレ手法

移動平均線と併用すると効果的なのがMACDで、移動平均線よりも早く売買シグナルが出現するため、トレンドを迅速に判断できるという特徴があります。

MACDは移動平均線を応用したテクニカル指標で、直近の値動きを重視するEMA(指数平滑移動平均線)から計算されます。そして、MACDを移動平均したのが「シグナル」と呼ばれるラインです。

MACDがシグナルをゴールデンクロスすれば上昇トレンドの発生を、デッドクロスすれば下降トレンドの発生を表します。移動平均線はトレンドが発生した時に反応するスピードがやや遅いというデメリットがあるため、MACDを併用することでより精度の高い分析が可能です。

また、MACDが0より下の値でゴールデンクロスした場合や、0より上の値でデッドクロスした場合は相場の転換と捉えることができます。トレンド転換のタイミングでうまくトレンドに乗ることができれば、まとまった利益も狙いやすくなるため、エントリーの大きなチャンスになります。

  • ゴールデンクロス:長期の移動平均線を、短期の移動平均線が下から上に突き抜けること
  • デッドクロス:短期の移動平均線を、長期の移動平均線が上から下に突き抜けること

デイトレードを行う時のコツと注意点

最後に、デイトレードを行う際のコツと注意点についてまとめておきます。

取引機会が多く、自分のペースで取引しやすいデイトレードですが、手法だけをあてにして闇雲にトレードを続けても利益を重ねることはできません。下に挙げたような、つまづきやすいポイントを事前に理解し、トレードに活かしていくことで勝率を上げることができるでしょう。

  • 損切りや利確はルールを決めて厳守する
  • 根拠が薄い時は「エントリーしない」のもトレードのうち

それぞれ詳しく説明していきます。

損切りや利確はルールを決めて厳守する

どのような取引スタイルにおいても、勝てるトレーダーになるにはエントリー前に損切りと利確のラインをあらかじめ決めておき、最初に決めたとおりにトレードすることが欠かせません。

トレードの最中であっても、利益が出ていれば早く確定したくなり、損失が出ていれば持ち直しを期待してしまうのは人間の性です。特にデイトレードではチャートを1日に何度も確認することも多く、このような状況に陥りやすいため注意が必要です。

ルールを厳守しないトレードを繰り返すと、いつか取り返しつかない損失を出してFX市場から退場を予期なくされることも有り得ます。

そうした事態を防ぐためにも、事前に設定した利確ラインや損切りラインは徹底しましょう。1回のトレードで大きな利益を出そうとするのではなく、コツコツと小さな利益を毎日重ねていく心構えでいることも大切です。

FXで利益を出し続けるためには、損失は利益を得るための経費と考え、常にルールを守ったトレードを繰り返しましょう。

根拠が薄い時は「エントリーしない」のもトレードのうち

トレードを繰り返していると、時にはエントリーするために十分な根拠が得られない相場にも直面します。

重要なのは、そういった相場に出くわしたら潔く「エントリーしない」という選択肢を採ることです。

「ポジポジ病」という言葉があるように、FX初心者はポジションを持っていないと落ち着かない心理状態に陥りがちです。しかもデイトレードは取引機会の多さから、多少根拠が薄くても焦ってエントリーしてしまうことが少なくありません。

「ポジポジ病」とは、常にポジションを持ちたくなってしまう状態のことです。トレード経験の浅さや、チャンスを逃したくない・損失を取り戻したいという心理からくることが多いとされます。

しかし、厚い根拠を立てられるかどうかはトレードの勝率に大きく影響します。

根拠に乏しいトレードは負ける確率が高いだけでなく、計画性欠けることから大きな損失を被ってしまうリスクが高いのです。

デイトレードで安定した勝率を出していくには、「1日のうちのどこかで利益を狙えばいい」というくらいの気構えで十分です。焦らずじっくりと相場を分析して次のチャンスを待ち、確信できる根拠を持てた時のみエントリーすることが、結果的に高い勝率を維持することにつながるでしょう。

投資の格言には、「売るべし 買うべし 休むべし」というものがあります。投資は売り・買いだけでなく、休むことも大切だという意味です。

トレードを見送って休むのもトレードのうち、ということですね。

まとめ:扱いやすいインジケーターを見つけて自分の手法を確立しよう

デイトレードは時間の制約が少ないため、本業やプライベートで忙しく、トレーダーやチャートに張り付くことが難しい方にもおすすめの取引スタイルです。

一方で損切を実行できない場合や、根拠の薄いエントリーを繰り返した場合などには1日のうちに大きな損失を抱えることもあります。自分で設定したルールを必ず守り、相場とじっくり向き合いながら淡々とトレードを繰り返して利益を重ねていきましょう。

まずは、移動平均線(MA)やMACDなどのシンプルなテクニカル手法からトレードに取り入れてみてください。様々な種類のインジケーターを確認しながら自分に合った取引手法を確立することが、デイトレーダ―としての第一歩です。

移動平均線やフィボナッチ・リトレースメント、MACDはプロのトレーダーでも利用者の多いテクニカル分析の手法です。将来的にも長く使える手法になるので、ぜひ習得してください。

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