FXは勉強すれば勝てる?初心者が陥りがちな誤解と正しい勉強方法

FXの基礎知識

FXは勉強することが勝つための近道といわれます。確かに知識がなければ日々変動する相場に対応することなどできず、資金を失うばかりになってしまうでしょう。

しかし、実際には1日に何時間もチャートに向き合い、書籍などで勉強してもなかなか利益が伸びない、という声を多数耳にします。そのため、結局「勉強すれば勝てる」のか「勉強しても勝てない」のか、どちらが正しいかわからない、という方もいるかもしれません。

そこでこの記事では、FXは本当に勉強することで勝てるようになるのか詳しく解説していきます。

勉強しても成果が出てこない場合は、勉強の仕方そのものが間違っている可能性も考えられます。一緒に原因を探っていきましょう。

この記事でわかること
  • FXで勝てない本質的な理由は2しかない
  • FXにおける「勝ち」「負け」の正しい理解の仕方
  • 順序良く勉強すれば初心者でもFXで勝てるようになる

「勉強しても勝てない」のは勉強方法を間違えているから

FXを始めたばかりだと「勉強しても勝てない」と悩むことは少なくありません。

ですが結論からいって、FXは正しく勉強すれば初心者でも安定して勝てるようになります。

SNSなどでは、「FXで◯十万円儲かった」「副業でもほったらかしで稼げた」といった話が数え切れないほど転がっています。しかし、そういった例を信じてFXを始めたのに少額しか稼げない、トータルで見るとマイナスになってしまう・・・という初心者は非常に多いのが実情でしょう。

一方で、金融先物取引業協会が2018年にトレーダーに向けて行った調査によると、「前年の損益がプラス」だった方は全体の60%にものぼっています。

  • トータルで勝っているトレーダーは全体の60%以上いる
  • ただし、勝敗問わず全体の60%は年間20万円未満の利益に留まっている

それではFXは稼げて当たり前なのかというと、そんなことはありません。注目すべきは、調査対象となった1,000人のトレーダーのうち、取引年数5年以上が40%以上を占めている点です。つまり、長く生き残れているトレーダーほど利益を残しやすいといえるのです。

早期退場に追い込まれるトレーダーと、長く継続して稼ぎ続けられるトレーダーとの最大の違いは、FXの基礎を正しく学べているかどうか

FXに関する知識は膨大で、分析方法からトレード手法まで多岐にわたります。しかしFXの知識は単体では機能しづらいため、目についた情報を闇雲に学んでいってもなかなか勝ちにはつながりません。レベルに合った情報を取捨選択し、順序良く学んでいくことが欠かせないのです。

FXについて何も知らない状態からスタートしても、勝てるトレーダーになれるでしょうか?

しっかりと基礎から学んでいけば、未経験からでもコンスタントに稼げるようになりますよ。

FXは「正しい勉強」をすれば勝率を上げられる

もうひとつ、FX初心者が知っておくべきことは、FXではどんなに勉強をしても勝率100%にはならないということです。

相場は世界中のトレーダーが市場参加者として形作っているものであり、時には世界情勢などが絡み、分析が通用しないようなイレギュラーな動きをすることもあります。しかし、正しい順序を踏んで知識を身につけていけば、勝率は確実に向上します。

FXを学ぶのは常に勝ち続けるためではなく、勝率50%を60%、70%に乗せていくためなのだと理解しておきましょう。

プロのトレーダーでも勝率は60%ほどしかない

FXはプロのトレーダーであっても勝率は60%ほどといわれることもあります。

これは言い方を変えれば、トレードで10回中4回負けていたとしても、トレーダーとして生計を立てられることを意味します。

一方、FX初心者はとりわけ「負け」に過敏になってしまうことが少なくありません。FXは自己資金を使ってトレードを行うので、負けた時の損失が大きな精神的ダメージとなって襲いかかり、下のようにさらに深刻な負けを呼び込んでしまうケースが非常に多いのです。

  • ポジションに対して相場が逆行した場合に、反転を期待して同方向のポジションを追加する(ナンピン買い)
  • 損失を出さないために、当初設定していた損切りラインをずらしてプラ転を待ち続ける
  • 前回のトレードで出した損失分を取り戻そうと、取引金額を倍にする

重要なのは、FXには常に100%勝てるような手法、いわゆる「聖杯」は存在せず、負けに過敏になる必要はないということです。

もちろん勝率70%や80%を叩き出すトレーダーも中にはいますし、トレードの調子が良く一定期間勝率100%を維持できることもありますが、スポーツなどと同じで、FXの世界でも常に勝ち続けられるトレーダーはいません

もし「聖杯」のような手法があったら、誰もが億万長者になれますよね。

FX初心者に知って欲しいのは、トレードのうち4割を負けていてもトータルでは安定して勝ち越せるという事実です。勝率6割なら損失など出ないのでは、と思うかもしれませんが、FXにおいては1回のトレードの損失額が数回分の利益を上回る赤字になってしまうことも少なくありません。

10回中1回のトレードで10万円稼げるなら、たとえ残りの9回で9万円の損失が出ていても、トータルでは1万円の利益になります。逆に、1回のトレードで100万円稼いでも、1ヶ月のトータルでマイナスなら「稼いだ」とはいえないのです。

つまり、本当に大切なのはどれくらい稼いだかではなく、損失をどの程度に抑えたか

損失のコントロールは後述する資金管理やメンタル管理で技術的に行えるので、まずは「負け」や「損失」を怖がらなくても良い、ということを知っておきましょう。

大切なのは、「負け」はプロでも日常的に経験していて、全く悪いことでも劣っていることでもないと自分の中で納得することです。

FXで負ける・失敗する2つの本質的原因

勝てるようになる方法とあわせて、FXで負ける、失敗する本質的な原因についても理解しておきましょう。

FXで負ける原因について調べてみると、10個以上もの理由が並べられているケースもあります。しかし、そうして挙げられているいくつもの理由を突き詰めて考えていくと、実は負ける原因のほとんどが「資金管理」と「メンタル管理」の2つに集約されていくのです。

勝率を上げるためには負けないことも重要になるため、資金管理とメンタル管理について、詳しく説明していきます。

資金管理ができていない

FXで負ける要因の1つ目は、資金管理ができていないケースです。

資金管理の方法としては、

資金管理方法詳細
「バルサラの破産確率」損益率と勝率から破産確率をチェックする。
「2%ルール」1回の損失を資金の2%に抑える。
「6%ルール」資金が前月の-6%になったら取引を止め手法を見直す。
リスクリワード「バルサラの破産確率」をもとに破産しない設定をする。
取引ルール「2%ルール」をもとにロット数、レバレッジ、利確(TP)・損切り(SL)ラインを決める。
※TP=Take Profit / テイクプロフィット(利益確定)、SL=Stop Loss / ストップロス(損切り)

などが挙げられます。

それぞれの詳細は別記事で解説しますが、最初のうちは下記の3つに絞って取り組んでいくことをおすすめします。

  • 「2%ルール」の実践
  • リスクリワードの設定
  • 取引ルール(ロット数、レバレッジ、利確・損切りライン)の設定

「2%ルール」とは、トレード1回の損失をトレード資金の2%までに抑えるルールです。2%ルールを実践すれば破産する確率を大幅に下げることができるため、もし資金が10万円なら1回のトレードの損失が全体の2%=2,000円程度に収まるようにしましょう。

負けた時の損失額をコントロールするには、リスクリワードを決めた上でロット数やレバレッジ、利確・損切りラインを設定します。

リスクリワードは「損失」:「利益」の比率から見る、1回のトレードの期待値です。「利益」÷「損失」によって算出でき、仮に1:2と定めたならリスクリワードは「2」となります。実際にトレードで運用する場合には10pipsで損切り、20pipsで利確、のように活用します。

「損失」:「利益」が1:3なら、リスクリワードは「3」になるということですね。

その通りです。ロット数やレバレッジ、利確・損切りラインは感覚で決めるのではなく、リスクリワードに沿って調整していくと適切な値に設定しやすいでしょう。

リスクリワードを決める最大のメリットは、トレードで得られる損益が可視化されること

例えば、平均して勝率60%程度の手法で利確・損切りとも10pipsずつと決めてトレードしていたら、10回トレードした時の損益は勝ち:+60pips、負け:-40pipsで、20pipsは手元に残る計算になります。しかし、毎回利確・損切りラインが変わっていたらこの見通しは成り立ちません。

より具体的な例として、10pipsで1,000円の利益が出るような設定をした上で、リスクリワードを「2」にしておけば、勝率60%でも下のような利益が得られます。リスクリワードを定めておけば、現在使っている手法で平均的にどれくらい稼げるのかが可視化できるのです。

トレード回数12345678910合計
勝敗××××6勝4敗
損益(pips)+20-10-10+20+20-10+20-10+20+20+80
損益(円)+2,000-1,000-1,000+2,000+2,000-1,000+2,000-1,000+2,000+2,000+8,000
リスクリワード2、10pips1,000円の利益が出る設定での損益シミュレーション

リスクリワードの比率はどれくらいに設定しておくといいですか?

リスクリワードは「2~3」が理想的といわれています。損失:利益が「1:2」や「1:3」になるように意識するといいでしょう。リスクリワードが「2」なら、勝率50%でも最終的な損益を十分にプラスにできます。

ただし、リスクリワードのメリットを活かすには、常に同じ比率でトレードし続けることが重要になります。

もちろん、利益を伸ばせそうな場合に利確ラインを切り上げていく分には問題ありません。しかし、負けているのに「もしかしたら反転するかも・・・」と含み損を握りしめ続けていては、その度にリスクリワードが変動してしまいます。

2%ルールやロット数などをもとにリスクリワードを決めたら、あらためて全体のルールを見直すタイミングまでは、バランスを崩さないようにしましょう。

メンタル管理ができていない

FXで負ける要因の2つ目は、メンタル管理ができていないケースです。

メンタル管理は資金管理とも密接に関係していて、どちらか一方が疎かだともう一方にも悪影響を及ぼします。特に負けている時、損失を出した時のメンタルコントロールができているかどうかで相場で生き残れるかが決まる、といっても過言ではありません。

なぜかというと、感情的なトレードは自分で決めたルールを破ることが多いためです。

トレードで損失を出してしまった後は、どうしても下のような感情を抱きやすくなります。

「損失分を取り返したい」
「プラスにならなくてもいいから、なんとか損失をゼロで終えたい」
「今はマイナスだが、もう少し待っていればプラスに転じるかもしれない」

こうした感情に身を任せたトレードは非常に危険です。感情的になっていると、「損をしたくない」「稼ぎたい」という気持ちばかりが先走り、資金管理のために決めたリスクリワードやロット数、損切りラインなどを守れなくなってしまうのです。

ただ、トレード中に感情的になるな、というのも難しい話ですし、そもそも感情的になっている時に自制が難しいという方も多いのではないでしょうか。

そのため、メンタル管理についてはいくつかの条件を設けて、それらを満たした場合に「トレードをしない」ルールを作っておくことをおすすめします。

  • 1日に定めた損失額を上回ったらその日はトレードをしない
  • 連続3回負けたらその日はトレードをしない
  • チャートを見ても分析に確証が持てなければエントリーしない
  • 体調が悪い時や精神的に不安定な時はチャートを開かない

このように、あらかじめ「トレードをしない」条件を決めておくだけでも、感情的なトレードを避けることができます。

もし最初のうちルールを破ってしまっても、下に挙げたような方法から自分に合ったものを実践してみてください。「トレードで負けてしまった」「ルールを破ってしまった」ことに落胆したり、イライラしても悪循環になるので、切り替える習慣を身につけることがメンタル管理上達への近道です。

  • 立ち上がったり、歩いたりしながら深呼吸をする
  • モニター画面から離れて外の景色を見る
  • 散歩やストレッチ、入浴、歌を歌うなどで気分転換をする

気持ちの切り替えはいつも難しく感じますが、失敗したらその日はきっぱり離れた方がいいんですね。

負けた時は誰でも悔しいものですから、冷静になろうと努めていても、負け分を取り返そうと躍起になってしまいがちです。そういう時は一度潔くトレードをやめて、日を改めて復習した方が失敗原因もわかりやすいですよ。

FXの「正しい勉強方法」は3つだけ

これまでの内容を踏まえて、具体的な「正しい勉強」の仕方について学んでいきましょう。

FXにおいて、全ての基礎となる知識は下の3つです。

  • トレンドの方向の読み方
  • レジスタンスライン・サポートラインの引き方
  • 相場心理の読み取り方

それぞれFX初心者にもわかりやすく、詳しく解説していきましょう。

トレンドの方向の読み方

FXのチャートを見て真っ先に行うことは、トレンドが発生しているかどうかの確認です。

相場の状況は、おおよそ以下の3つに分類されます。

  • 上昇トレンド相場
  • 下降トレンド相場
  • レンジ相場

上昇トレンド・下降トレンドは、その名の通りレートが継続的に上昇、あるいは下降している状況を指します。一方、レートが一定の価格範囲内で推移していて、上昇か下降かのはっきりとした方向感が出ていない場合はレンジ相場です。

一般的にレンジ相場が全体の7割を占め、トレンド相場は全体の3割といわれています。

トレードで勝つために重要なのは、トレンド相場を狙って取引を行うことです。

世の中にはトレンド相場用の手法も、レンジ相場用の手法も山ほど存在しています。手法があるのだからレンジ相場でもいいのでは、と思うかもしれませんが、トレンドは発生すると長期間継続することも多いため、FX初心者は特にトレンド相場で戦った方が勝率を上げやすいのです。

スキャルピングなど短時間の取引を繰り返すスタイルなら、レンジ相場の方がより多くのチャンスを掴める場合もあります。トレードに慣れてきたら自分自身のスタイルを確立していきましょう。

トレンド相場かレンジ相場かを判断するには、まずは最もポピュラーな方法として移動平均線を使いましょう。

「移動平均線(MA)」とは

「移動平均線」とは一定期間の価格から平均値を算出し、折れ線グラフで表したものです。

よく使われる設定としては、15日・21日・25日・50日・75日・100日・200日が挙げられます。

  • 短期線:15日、21日、25日
  • 中期線:50日、75日
  • 長期線:100日、200日

トレンドの把握においては、短期線と長期線の2本だけでも以下のような判断の助けになります。

  • 短期線が長期線より上にある:上昇トレンド相場
  • 短期線が長期線より下にある:下降トレンド相場

移動平均線を短期線・長期線のように2本チャート上に表示しておけば、それぞれの位置関係からトレンドを分析できます。移動平均線によるトレンド把握に慣れてきたら、他のインジケーターも組み合わせるとさらに精度の高い分析も可能です。

トレンドがわかると、トレンドフォロー(トレンド方向に沿ったトレード)で勝率を上げつつ、トレンド逆行を避けられるようになります。トレンドを知ることはFXで勝てるようになる最初の一歩といえるのです。

トレンドに逆行すると、勝率はかなり落ちてしまう体感があります。

トレンドに乗ることは、FXで勝率を安定させるための定石ともいえます。トレンドフォローは初心者からベテランまで使える基本中の基本なので、最初にしっかり身につけておくことをおすすめします。

レジスタンスライン・サポートラインの引き方

トレードのエントリーポイントを探っていく際に役立つレジスタンスライン・サポートラインも、FX初心者が意識的に学ぶべきポイントといえます。

  • レジスタンスライン(上値抵抗線):過去のローソク足の高値と高値を結んだ線
  • サポートライン(下値支持線):過去のローソク足の安値と安値を結んだ線

レジスタンスラインとサポートラインは、過去のチャートで注目された価格帯を結んだものです。つまり、レジサポラインはトレーダーから何度も意識されている価格帯であり、将来的にも反発や強いブレイクアウトが見込めるのです。

しかも、レジスタンスラインやサポートラインが機能するのは直近の値動きに限りません。

例えば、上昇トレンド中には押し目買いを狙うことが基本ですが、効果的な位置でエントリーするには精度の高い押し目の分析が必要不可欠です。そこで、過去に引いたレジサポラインが機能しやすいことを活かして、ラインへのタッチで買い注文を入れる、といった戦略を立てることもできるのです。

レジスタンスラインとサポートラインは様々な手法やインジケーターとの相性も良いため、こまめに引いておくだけでも勝率アップの助けになるでしょう。

相場心理の読み取り方

より分析の精度を上げていくためには、相場心理を意識したトレードにも取り組んでいくことが求められます。

チャートは市場に参加しているトレーダーが形作るものなので、値動きには投資家心理が反映されます。トレンドの形成やレジスタンスライン・サポートラインでの反発も、背景にはトレーダーたちの心理が深く関係しているのです。

ローソク足の形成に関しても、ピンバー(長いヒゲがあり、実体部分が極端に短いローソク足)には取引期間中に値を伸ばしたがその後の値動きで大きく押し戻された、という背景があります。そのため、ピンバーが何度も発生している場合、ヒゲの先には強い抵抗帯の存在が示唆されているといえます。

相場心理を意識すると、ローソク足1本1本の意味まで読み取れるようになるんですね。

値動きの裏にどんな心理が働いているのか、値動きにどんな意味があるのかを理解できると、周りのトレーダーの一歩先を読んだトレードも可能になります。普段から意識して相場心理を読みながらトレードしてみましょう。

また、相場の大きな転換点では「クジラ」や「機関投資家」と呼ばれる大口投資家が動いていることもあります。

「クジラ」「機関投資家」とは

マーケットにおける「クジラ」は、一般的に金融市場における大口投資家を指します。

「機関投資家」は生命保険会社や損害保険会社、年金基金、投資信託、ヘッジファンドなど、利用者から預かった資金を運用する機関の総称です。中には多額の資金を動かす機関も存在します。

クジラや大口の資金を動かす機関投資家が1回に取引するポジション量は、一般投資家に比べてはるかに多いため、取引がFX市場に影響を与えることがあります。

大口投資家がいつ、どんなトレードをするのか把握することはできません。しかし、大口投資家が生み出す流れは非常に強い力を持つため、値動きの裏に大口投資家が存在するかもしれない、と意識しておくだけでも無謀なトレードを減らすことができるでしょう。

ファンダメンタルズ要因もチェック

相場心理に関連する要素として、雇用統計や政策金利、消費者物価指数といった経済指標発表に加え、要人発言などのファンダメンタルズ要因をチェックしておくことも大切です。

仮に特定の国が政策金利を引き下げると発表した場合、金利が引き下げられるとその国の通貨は売られやすくなり、価値が下がる傾向にあります。こうした政策と相場との相関性を把握しているトレーダーがFX市場を動かすので、知識の有無でチャンスを掴めるかが変わるのです。

ただし、ファンダメンタルズ要因が相場に影響する時は、テクニカル分析が通用しにくくなる側面も強いため注意しなければいけません。反面、ファンダメンタルズ分析についての知識があれば、分析がききづらい局面を事前に避けるといった判断も可能になります。

ファンダメンタルズ分析のみでトレードすることは難しいため、あくまでも相場が急変する可能性として捉え、日時を確認して備えておくといった使い方がおすすめです。

FX初心者の勉強の流れ

最後に、FX初心者におすすめの勉強の流れを紹介していきます。

どんな手法であっても、FXの基本的な勉強の流れに大きな違いはありません。上達のためには反復練習を行い、トレードの失敗を振り返って改善点を見つけ出すことが近道になります。最初のうちはなかなか勝率が上がらないかもしれませんが、根気良く続けてみてください。

チャートと向き合う時間を作る

FX初心者が第一に行うべきは、チャートと向き合う時間を作ることです。

どんなにFXの知識を蓄えても、実際のトレード経験が浅ければ満足な成績は残せません。FXは覚えるべきといわれるプライスアクションやチャートパターンが多数紹介されていますが、それらを暗記しただけでは勝てるようにはならないのです。

とはいえ、ただ漫然とチャートを眺めているだけでも上達はしないため、何を目的にチャートを見るのかを明確にしてから練習時間を取りましょう。例えば、下のような目標を立てておくと習慣化しやすくなります。

  • 1日の始めにチャートを開いてトレンドをチェックする
  • 週末にレジスタンスライン・サポートラインを引き直す
  • 日曜日に来週分の経済指標を確認しておく

夜の21~22時まではチャートを見てトレンドを分析する時間にあてる、などして習慣化すると続けやすくなります。

デモトレードで取引の仕方を確認する

チャートを見ることに慣れ、実践的なトレードを始める段階になったら、デモトレードで取引方法を確認しましょう。

デモトレードは、FX業者が無料で提供しているほか、MT4などの取引ツールでも利用できます。自身の取引環境に近いものを選んでください。

デモトレードなら自己資金を減らすリスクなしにトレードの予行演習ができるので、取引の操作方法を確認するのに最適です。また、新しい手法を試したいといった時にも、デモトレードを使えば運用成績を確認してからリアルトレードに移行することができます。

特に初めてFXに触れる場合や、慣れていない取引方法を扱う場合は、事前にデモトレードで取引の流れを確認しておくことが大切です。注文の仕方やポジションの決済方法、ロスカットの設定の仕方など、トレードに必要な要素をひとつずつ確認しましょう。

ノーリスクでトレードの練習ができるのは、初心者にとってはとてもありがたいですね。

勝率がある程度上がってくるまでは、デモトレードでの練習を繰り返すと落ち着いて自分のトレードを分析できますよ。

少額からのリアルトレードで感覚を掴む

デモトレードで基本的な操作方法が身についたら、リアルトレードに移行します。

重要なのは、デモトレードで確たる成果が出る前であってもリアルトレードを始めることです。

デモトレードは自己資金が減るリスクがない反面、仮想資金なのでどうしても緊張感が欠けやすい、というデメリットがあります。緊張感がなくなるとゲーム感覚で損失があっても構わない、といった姿勢になってしまいがちなので、実践的なトレードは必ずリアルトレードで行ってください。

ただし、リアルトレードを始める際にはいきなり大きな金額は避け、少額からスタートしましょう。

生活に支障をきたさない余剰資金のうちの、さらに1/10にするなど、たとえ全額損失したとしても少ないダメージに抑えることが大切です。少額のトレードで数をこなし、安定感が出てきたら資金を増やしていくようにすれば、リスクを最小限にコントロールしつつ利益を伸ばすことができます。

デモトレードで勝率が良い場合であっても、最初から大ロットで勝負するのではなく、少額から始めましょう。リアルトレードは自己資金がかかっているだけに、デモトレードにはない焦りや不安が生じやすいため注意が必要です。

トレードの記録を残し検証する

トレードの後は、デモトレードかリアルトレードかを問わず、必ず記録を残すようにしましょう。

下にまとめたような項目でトレードノートを作成し、取引のたびに記載することで、トレードの改善点や反省点を振り返る際に役立ちます。

  • 取引日時(エントリータイミング)
  • 決済日時(利確・損切りタイミング)
  • 獲得pips
  • 損益
  • 通貨ペア
  • ロット数
  • エントリーした根拠
  • トレード中の精神状態

エントリーした根拠やトレード中の精神状態を記しておけば、どれくらい自信があったのか、ポジション保有中にどんな感情でいたのかがひと目でわかります。記録を結果と照らし合わせていけば、不安に駆られて損切りしてしまったが本当は勝っていたトレードなどが浮かび上がってくるでしょう。

また、取引日時や獲得pipsを詳細に記しておくことで、トレードを10回、100回と重ねていった先で統計も取りやすくなります。例えば、夜間に比べて日中の勝率が低ければ、トレードの時間帯を調整するだけでもより良い成績が望めます。

特に負けた時、損失を出してしまった時は、念入りにトレード結果を検証して同じ失敗を繰り返さないように取り組みましょう。

土日など、FXで取引できない時間をその週のトレードの復習にあてることで、効果的に技術の向上を図ることができますよ。

まとめ

FXで勝てるようになるかどうかは、才能によるものではなく勉強の内容によるものです。

試験勉強やスポーツと同じで、どんなに時間をかけても誤ったやり方ではなかなか上達しないように、FXもまたやり方次第で上達スピードが大きく変わります。特にFXは攻略法や必勝法とされるものが溢れかえっていますが、情報の取捨選択をしようにも、基礎となる知識がなければ判断がつきません

様々な手法を試す前に、まずはチャートの読み方やトレンドの分析といった基礎固めをしっかり行うことが、トレードで勝てるようになるための近道となるでしょう。

「急がば回れ」の格言通り、早く稼ぐための最短距離は地道な勉強と実践の積み重ねに他ならないのです。

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